機関投資家の実資力

機関投資家の実資力は、六二年六月末で生保八五兆円、特定金銭信託一五兆円、ファンド・トラストニ兆円、年金二三兆円、株式・投信二六兆円とみられている。しかも恐るべきことに、さらに毎年五〜八兆円ずつ仲びているのである。

そして、これら機関投資家の動き方はきわめて神経質に動くのが特徴的である。新しいユーロ債券が出れば相当な額を買いにまわったり、円高が急進すれば一時的ながら海外証券投資は全面ストップ模様に激変したり、六二年一月以降のように人気離散の西独株式まで買い漁るかと思えば突如急停止し、国内に過剰な資金が急辿、国内株式・債券や地価の暴騰を招くほどの国内流動性のローハ常な膨れあがりを示したりするのである。

ひとことでいえば、きわめてナーバスな巨象だと思えばよいのである。どうして日本の機関投資家は神経質にならざるをえないのであろうか。基本的に現在続いている日米間の資金の流れを考えれば、いずれゆくゆくは日本国内の巨額な金融資産は米国の渦巻く資金ニーズのプラスとの恐怖心からではないかと思われる。